電気自動車を保有している場合、外出するときに気になるのはEV用の急速充電器をちゃんと使えるのかということです。電気自動車は移動手段であるだけに、充電する際は失敗したくないものです。
また、自宅に設備を設置する場合でも、どんな種類にするか、自宅のどこに設置するかは慎重に考えなければなりません。そこで今回は外出時に急速充電器を利用するときと、自宅に設置するときに役立つEV用急速充電器の基本をお届けします。
近年、国内外で普及している電気自動車を利用するには充電器が必要不可欠です。充電器には普通充電と急速充電があり、国内ではEV用急速充電器の設置を推進していることをご存知でしょうか。
とはいえ、いざ自分が充電しようと思うとき、急速充電と普通充電のどちらにしようか迷うところではあります。はじめに、そんな疑問を解決するためにEV用急速充電器の基本から確認していきます。
急速充電器は、電気自動車に充電する設備であり、EV用急速充電と普通充電があります。両者は充電時間・電源設備・設置スペースなどに違いがあり、自宅で充電する場合は、普通充電がメインで、外出先で充電するときは両者のいずれかを選択することができます。
急速充電は、カーディーラーやコンビニ、高速道路のSAなどに設置されており、目的地に行く途中で充電する印象が強いです。この感覚はガソリン車でも同じで、取得するものがガソリンか電気かの違いという解釈もできるでしょう。
急速充電器にはいくつか規格があり、世界96か国で設置されている国際規格の「CHAdeMO(チャデモ)方式」が代表的です。そのほかでは中国で主流の「GB/T方式」や欧米でメインとなっている「CCS」などがあります。日本国内では「CHAdeMO方式」を採用しており、さまざまなメーカーが対応する充電器を販売しています。
これらの急速充電器は高出力かつ短時間で充電できることが特徴で、直流の電源で充電できます。出力は充電設備によりことなるものの、多くは20~50kWが主流です。ただ、90kWや150kWで出力する設備も登場しており、今後はより高出力で充電できる可能性があるでしょう。
国内での急速充電器は現状1回30分までの利用となっています。フル充電になっていなくても30分で停止する設備がほとんどです。こうした国内の急速充電器の事情を考えると、外出する前に自宅で十分に充電しておき、充電が半分以上ある場合でも、途中で充電する方がよいように感じられます。
今後、充電時間がどのように変わっていくかは未知数ですが、現状では30分でどれだけ充電できるかと、充電スポットのチェックは欠かせないでしょう。
急速充電器と普通充電器は同じEV用充電器でありながら、さまざまなところに違いがあります。ここでは、電気自動車ユーザーの基礎知識として、両者の違いを解説していきます。
急速充電器と普通充電器は、充電設備そのものに違いがあります。普通充電は100Vまたは200Vの電流で充電を行い、急速充電は設備ごとに出力は異なるものの直流で充電します。これらのことから急速充電は明らかに普通充電よりも速く充電できることがわかります。
充電場所を考えると、普通充電は戸建住宅やマンション、ビルや屋外駐車場などをはじめ、病院や時間貸しの駐車場などに設置されているケースが多いです。急速充電はもっとスポット的な感覚で、道の駅やカーディーラー、ガソリンスタンド・高速道路のSAなどが中心です。
場合によっては、どちらも商業施設の駐車場に設置されていることもありますが、商業施設の場合は、やや急速充電が多い印象です。自宅などプライベートな場所に急速充電設備を設置するケースはごく限定的で、今後の普及に期待といったところでしょう。
充電時間には大幅な違いがあります。航続距離80kmの場合で比較すると、普通充電は約4~8時間、急速充電は約15分と圧倒的に早いです。航続距離が160kmの場合でも、普通充電は7~14時間、急速充電は約30分です。
これだけの違いがあると自宅にも急速充電設備が欲しくなりますが、設置する場合は、充電設備がいくらするのかが気になります。次は本体価格について見ていきます。
ここでは工事費用を含めずに、充電設備本体価格のみをチェックしていきます。普通充電でコンセントから充電する場合は、専用のコンセントが数千円、ポール型普通充電器を使用する場合だと数十万円といったところでしょう。
対して急速充電器の本体価格は百万円以上、これに工事費用が上乗せするとなれば手軽に自宅に設置するとは言いにくいものがあります。もしも、自宅に急速充電設備を設置したい場合は、国際規格の種類や設備をしっかり選ぶことが必要です。
EV用急速充電器を設置したい場合と出先で利用する場合、それぞれにどんな選び方をしたらよいのでしょうか。ここでは設置するときと出先で利用するときの急速充電器の選び方を解説していきます。
企業や商業施設に設置する場合は、1か所に1台ではなく複数台設置することを考えてメーカーや急速充電器を選ぶことがポイントです。たとえば、商業施設の駐車場に設置する場合、1台の充電に30分かかるとすれば、1台充電中に別の車が来る可能性があります。そうなると後から来た車は順番待ちをしなければなりません。
待ち時間に待機するスペースの確保も必要ですが、複数台の急速充電器を設置していれば充電待ちの渋滞を回避できるでしょう。また、電気自動車の充電口は車種により異なるので、充電ケーブルの長さや充電口の互換性も考えておく必要があります。
さらに、できるだけ出力の高い充電器であることや、万が一故障したときのアフターフォローや定期メンテナンスなどの有無も確認しておきたいところです。急速充電器は屋外に設置することが多く、意外と故障するケースも多いからです。加えて、1台あたりの価格帯や工事費なども事前によく調べて、トータル的に納得できるメーカーを選ぶようにしましょう。
外出先で急速充電をする場合は、車種により電圧は選んだ方がよいですが、大まかな相場としては50kW以上の出力の急速充電器がおすすめです。フル充電までできなかったとしても商業施設や道の駅など訪問先にも数多く設置されていることや、国内では1回30分までの充電時間が決まっていることからも、休憩している間に充電できるメリットがあります。
また、そのほかで気をつけたいのは24時間営業で充電できるかどうかです。急速充電には先に述べたように30分程度はかかります。もし、充電を始めて20分で閉店時間となった場合、次の充電スポットまで間に合うか不安になるでしょう。
さらに、受け付けなど面倒な手続きがなく、ICカードを操作パネルにタッチするだけなどさっと利用できる方が便利です。高速道路のSAや一部の商業施設ではこうしたユーザー認証のみで利用できることが多いですが、遠方に行くときは事前に確認しておきましょう。
ここまでEV用の急速充電器の設置や基礎知識について解説しました。こちらでは、充電設備の種類や補助金についても解説しますので、あわせてご覧ください。
EV用急速充電器は、近年国内外を問わず開発や製造が行われていて、急速充電を利用するとしてもどのメーカーを選べばよいか迷うものがあります。国内では急速充電器の利用が30分までと決まっている以上、その時間内でしっかり充電できるところを選びたいものです。
また、設置する際はメーカーごとに特徴や電圧の違い、本体価格や工事費用まで考えることが重要となり、定期メンテナンスやアフターフォローの内容も含めて、慎重に選ぶことが大切です。
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